測る重さと感じる重さ。
朝霧の中、Granonを出発。
朝7時は、まだ寒い。フード付きのパーカーに、ゴアテックスのレインウェアを着るくらいでちょうどよい。
でも、2、3㎞走ると…
暑くなってくる。
天候を見ながら、パーカー+レインウェアを脱ぐか、日本のコンビニで買った薄手のレインコートを羽織るか?選択の時を、模索する。
脱いだパーカーにレインウェアは、リュックサックを身体に固定するように、結びつけました。
リュックサックを背負っていても、よりブレの少ない背負い方を試行錯誤し続け、5日目くらいにたどりついたスタイル。
体験を重ねながら、より重さを感じない背負い方が見つかりました。体験、体感しては、微調整の繰り返し。
2つの小さなリュックサックを上下に背負い、合計約5kgの荷物。
慣れもあるでしょうが、旅の終盤はリュックサックの重さを負担に感じることは、なくなっていきました。
Granonの教会内にあるalbelge
教会内にあるalbelge(巡礼者用の宿泊施設)にも泊まってみようと思い宿泊。
洞窟の中に入るような入口。
ドキドキしながら、悠久の歴史を感じる階段を上っていくと…
聞こえてきたのが、ギター演奏と、楽しげな歌声。
これは場違いなところに来てしまったと反射的に思う^_^
どんなところも、自分なりに楽しもうと自らに言い聞かせると、勇気が湧いてきました。
欧米人と思われる老若男女が10数人。
私は、ビビっていない顔を見せながら、軽く会釈をしつつ入ると、案内された部屋はマットレスが並んだ部屋。
マットレス?と一瞬思うが
それもまた良しという言葉が浮かび、落ち着く。
夕食は、近所のパン屋さんまで歌を歌いながらの買い出し。恒例行事のようで、あらかじめ用意されたパンを取りに行くだけだが、楽しいイベントとして続けられているよう^_^
Vianaから、60㎞近く走ってきたと言うと、質問責めに。バランスを感じながら、ゆっくり走ってきたと説明すると、納得していただけた様子。バランスという言葉は、欧米人でも理解しやすい言葉でした。
ログローニョは、大都会
ログローニョ、ブルゴス、レオンなど。
大都会では、道標、矢印が少なくなります。
私は、このような感じで、何度も道を聞きました。
Buenas dias! おはようございます!
Puedo preguntar? 質問してもいいですか?
Donde este Camino de Santiago?
サンティアゴへの道は、どこですか?
この男性は、ランニングしながら先導してくれたり、先回りして再び会うなど、ログローニョの街を出るまで3回も会うことになりました。60〜70歳くらいと思いますが、私にいろんな意味で道を教えてくれた方。
このような恰好で走りました。
雨のとき、風の強いときは、雨合羽を着ます。
朝、宿を出るときは、腰に巻いてある上着を着ていました。
5㎞〜10㎞くらいごとに、街、店、泉があり、水を補給できます。私の場合、500mペットボトルひとつで間に合いました。予備のウォーターバックにも、水を入れていましたが、食事前後に、手洗いに使うくらい。
トイレは、街にあるカフェで。
どこも、とてもきれい。紙もちゃんとありました。念のため、トイレットペーパーを携帯していましたが、鼻をかむのに使うだけでした。
公衆トイレは、バスターミナル、鉄道の駅、空港、美術館以外ではないようです。
Santdomingo de calzada
albelge de Granon
ランニングシューズは、私だけ。
岩場で、油断したときに、一度滑って転倒しましたが、ランニングシューズは軽くて良かったです。
Iglesia y albelge de Granon
Iglesia de Granon
夜は、巡礼者仲間で教会へ
いよいよ『フランス人の道』Camino de Frances
Fuente de Estella
『フランス人の道』に入り、人も、店も、泉も増えました。助かります^_^
この水は飲めるか?
ダメな所には、”no potable”と表示があります。
Iglesia de Estella
アラゴンの道と違って、巡礼仲間がたくさんいるフランス人の道。後ろから追い抜くときには挨拶して走り抜けるようにしました。
『お土産に、動画撮らして!』
喜んで!
動画まで撮ってもらい、気分がよくなると…
ダンスのように、軽快な走りになっていました。
albelge de Torres del Rio
Logronoまで行く予定でしたが、鼻血が出たのでvianaに宿泊。午後5時頃。
普段は、朝7時前後にスタートして、午後5時か6時頃に宿を見つけて休んでいました。
albelgeと呼ばれる巡礼者専用宿は、予約しないのが通例のようです。今回の旅では、満員で断わられることはありませんでした。
アラゴンの道 Sanguesa〜Puente la Reina
Ruesta,Sanguesaで同宿だったサンティアゴさんと、ナッツさん。
私が1時間前に、追い抜いたのに、なぜか前方にいる2人。
どうやら、道標を見逃した私が遠回りしていたようです^_^
風力発電機を見ながら、進みます。
Izcoの街に、パン屋(panaderia)はありませんか?と写真の家の方に聞いたところ、パン屋はないけど、パンはある。と言われパンをいただきました。Gracias!
Hito de Olcoz
よく見れば分かるが、右か左か迷った所。
(正解は、青いマークが向いている面、右へ)
毎日のように、道を間違えていたので、念のため、近くにいた庭師の兄さんに確認すると、Puente la Reinaに行くのは左だと自信満々。あまりに自信満々なので、言われた通りに左へ山を下りました。
しかし、数百m進んだところで…
”Camino de Santiago”なら、あっちだよ!!
子供たちと遊んでいた若いお父さん。
この若いお父さん。
わざわざ分岐点まで来てくれて、私がSantiagoへ向かう道へ行くのを見届けてくれました。
さりげなく、散歩するように…
さっきまで、子供と遊んでいたのに…
観光で、この街に来てた人なのに…
なんだか、とても有難く、嬉しくなり
心も身体も元気になり、この道を走り抜けました。
Obanos
Puente la Reina
Chocolate blanco con yogur es delicioso!
ヨーグルト入りホワイトチョコレート、チョコ入りクッキー…美味しかったです^_^
道標を見失ったとき Lost ”el camino”
道標を見失ったのは、2回目。
1回目のときには、30分程度で''el camino''に戻れて、事なきを得ました。
2回目は、2、3時間彷徨っていたので、心身共にぐったり。
事の発端は…
Undues de Lerdaの街から出た直後の分かれ道。その1.5㎞〜2㎞後にある分かれ道。
前方(北)に見える小さな街(城)を、Sanguesaと思いこんでしまい、道標よりも城を目標に歩き、道標を見失いました。
そのとき前方に見えた城が、日本でも有名なフランシスコ・ザビエルゆかりの”Castillo de Javiel”
建物など全く見えない状況で、やっと見えた建物が、ハビエル城。
遠くに見えるハビエル城を、Sanguesaの街と思い込み、道を見失いました。
一面の麦畑、とげとげの木、地図と合わない風景、行く手を阻む小川、人に聞こうにも、誰も通らず、誰もいない。
ものすごい不安に包まれる中、信じられるのは、あの建物に行けば何とかなるという思いだけでした。
麦畑の端を歩き、トゲトゲの木をなぎ倒し、前に見える建物めがけ、必死の力が出てきました。
やっと、着いたハビエル城では…
観光に来ている方々が、城の前で楽しそうに過ごしていました。
さっきまで、私が感じていた孤独感、恐怖感は、いったい何だったんだ…
自ら作り出した孤独感、恐怖感。
その感覚に包まれると、冷静さを失うと共に、すごい力が出て来ることを体感することが出来ました。
Castillo de Javiel
パエリアを食べて、落ち着きを取り戻しました。
albelge de Sanguesa(5€ solo cama)
スペイン語しか話せない管理人さん。
直後に現れたパレンシアから来たスペイン人に助けられました。
Sanguesaの街にて
アラゴンの道 Jaca→Ruesta
果てしなく広がる麦畑に『うわぁ〜』
思わず見とれてしまいました。
雑な舗装かと思いきや、セメントらしき山。
セメントだけでは、雨に溶けて流れだすようで、触ると柔らかさがありました。
小さなアップダウン、山道もあります。
Castillo de Ruesta
廃墟になっていて、入れませんでした。
albelge de Ruesta(20€ con cena)
おしゃれな雰囲気の内装。
巡礼仲間5人と、スタッフ3人で夕食。