天使が、現れた!Angel se le aparecio!
ミゲルに、先に休むことを伝え、次の街へ向かう彼を見送った。
血尿のことは、すっかり忘れていた。
どこまでも抜けるような青空。
綿菓子のような白い雲が、浮かんでいた。
ミゲルと出会ってから、走った17㎞。
夢中で走れたせいか、普段以上の爽快感。
ゆっくり休もう。
宿を決めよう。
目の前に、二軒のアルベルゲ(巡礼者用の宿)が見えるが、何となくどちらにも決められないでいた。
よく見ると…
右側にある店も、アルベルゲだった。
ここだ!と何となく思った。
右側にあったレストラン入口から声をかけると、メガネをかけた30代前後の女性が出てきた。
見た目は、オフィスでパソコンに向かっている姿が似合いそう。
でも、どこか奥の方から出る優しい笛のような声で、宿の説明を受けた。
どこから、声を出しているのだろう?
今まで。
宿の人に、自己紹介されることなどなかったが、彼女は私に自己紹介してきた。
Soy Nuria.
ヌリアです。
『北斗の拳』に出てきそうな名前だ。
ますます気になる。
宿の中も…
大理石の階段。
適度に置いてある調度品もセンスがいい。
シャワールームも、ちょっと高級なホテルのよう。
こうなってくると、何もかも良く見える。
居室は、アルベルゲなので、2段ベッドだが、フワフワのタオルが置いてあった。
人として、大切にされている。と思った。
物質的にも、雰囲気までも。
もちろん、他のアルベルゲでも、親切にしていただいた。
でも、大切にしてくれてると感じたとき。
こんなに嬉しいものなんだと改めて思った。
アルベルゲ(巡礼者用の宿)は、最低限泊まれる宿というイメージが強かった。
本当に、泊まるだけという宿もあったが、多くのアルベルゲでは、宿の方の心意気が感じられ、チェックアウト後に涙が出るときもあった。
でも、このアルベルゲでは、いちいち感動させられた。
アルベルゲでは、もっとも高い一泊15€。
連泊したくなる雰囲気、空気感のある宿だった。
アルベルゲの名前は、分からないが、店の名前は…
Los canarios
una cama 15€ (cena +10€)
夕食は、オプションで10€。
前菜、メイン、デザート、ワイン。
どれも、手のかかった美味しい料理でした。
夕食時。
たまたま相席となった
ドイツ人のご夫妻。
お互いに英語は得意でないが、お互いに写真を見せ合って、楽しい時間を過ごしました。
他にも、入口で話したドイツ人カップル、相部屋となったドイツ人の女性2人など。
すべての体験が、鮮明に思い出せる。
私の体調、気分が良かったからか?
ヌリアが作り出した雰囲気、空気感なのか?
20日間の旅で
鮮明に記憶の残る1日となった。
これだけ話していながら
天使『ヌリア』の写真は…
ありません。
私も、残念です^_^